こっちの雀荘

すごく楽しい人たちばかりで最高だった。おとといだったか京都で一緒に打ったおっちゃん兄ちゃんええキャラクターしとるおもろいとか言ってくれた。対面からリーチかかってお願い!ツモらないで!!ってお祈りするポーズしてたら似合いすぎだからやめてくれって笑われた。なんだよそれ。マージャンのこととかうまい中華料理のこととか、なんかとりとめもないことを時々ぼそぼそと話した。マージャンときの会話って結構特殊なんだよね。みんな自分の手をみながら次どうするか考えてて、それしながらちょっとした会話をして、みんなでニヤニヤしながら、ときにはでかい手に振り込んで暗い顔しながら、そうやって何時間も一緒の卓を囲んでると、なんか十年来の知り合いのような気分になってくるんだよね。みんなは知らないだろうけど、マージャンやってるおっちゃんたちって、一度席についたら負けようが帰らないからね。5時間くらいは普通はいる。ひどい人だと10時間以上いたりする。店に行くごとに店員さんに顔も覚えてもらったり、ほかのお客さんにも覚えてもらって、兄ちゃんこれで三日連続やな!とかね。あんたも三日連続だろうがw。明日は京都へ戻って、またあの雀荘へ行く。そこで夜まで打って、夜は大阪で、で、そのあとことりさんと飲んで、そのあとは…、朝まで雀荘だ。長かった。ここまでの旅、くだらないけどいろんな出会いがあった。みんなありがとう。みんなの幸せ祈ってます。

退路を断つことの重要性

神戸のダチのところで読んだ東野圭吾の「容疑者Xの献身」に関してネタバレを含みます。
このミステリーの内容を簡単に説明。非モテのとある中年数学教師が、殺人を犯してしまった一人の女性を救おうとする話です。その女性はその非モテにはなんの関心もありません。中年教師の一方的な片思いです。彼は女性を救うため、事件の隠匿に協力するのですが、いずれは警察にすべてをばらしてしまうかもしれないと思っていました。だって女性はなんら関心をもってくれないのだから、自分の気持ちが揺らぐ可能性がある。なので、彼は女性をかばうために、自らも殺人を犯してしまう道を選びました。それをトリックに利用したのです。つまり退路を断ったのです。
何事か大きなことをしようというときは、退路を塞いでしまうことも有用なのです。背水の陣というやつです。
何度もいいますが僕は凡才です。えらそうに記事書いてますが自分の能力くらいわかります。何の能力もないしむしろ一般人よりかなりいろいろな部分が劣っています。でもだめなんです。凡才では僕の夢は叶えられません。僕は天才になる必要があるのです。だからショック療法やってるんです。だめもとで。だからすでに自分の本名を明かしています。でもこれだけではやはり弱いですね。もういいです。顔もさらします。ただ、笑うなよ。いや、笑ってもいいけど心の中で笑ってね。

おはよ

写真公開するとかぬかしてたのか昨日の俺は。あぶないあぶない。とんでもないあやまちを犯すところだった。目が覚めると少し冷静になってきた。僕はこれまでに自分が書いた記事の内容を思い出してみるに、これは、もう、なんというか、頭がおかしい人間である。顔写真なんか公開したら、僕の社会復帰がさらに遠のく結果に即座に結びつくのは想像がたやすい。もうっちょっと自分をいたわる必要があろう。寝落ちしてよかった。本当にあぶないところだった。さて、そろそろ4時か、ちょうどよく目が覚めたな。準備しよう。

しらゆりさんへ

そろそろネカフェを出ないと破産してしまう。もう出ます。しらゆりさん、会うのは全然大歓迎なのですが、どこで何時にしましょうか?それでは、僕は今日は大阪の雀荘で打つことにしますので、お時間の都合がつきましたら、教えてください。て、あれ?明日ということは24日ですか?じゃぁ今日は京都の雀荘行って大丈夫なのでしょうか?

しらゆりさんへ

しらゆりさん、朝の4時にネカフェということは、今日有休をとったということですよね。電話でもいいですし、コメントでもかまいません。場所と時間を指定してもらえれば、行きますので。これからまた雀荘です。月曜のこんな時間に行っても、強い人しかいないので不利なんですが。麻雀はいつでもやめられますので、ご連絡お待ちしてます。

こっちは若い打ち手が多いから楽しいです。年寄りはつまらんギャグが多くていかん。

しかし久しぶりの雨だな。なんでもうすぐ出発しようってときに。まさかしばらく雨が続くんだろうか。新聞もテレビもとんと見てない。ネットもしてない。昨日はネカフェで自分のブログ更新する以外は寝てた。なのにまだ眠いのはやっぱりうつまでひどくなったのか。

幕引き

今ネカフェにいる。久しぶりだぜキーボードちゃんと打つのって!なんか体中に血が駆け巡っていく感じ。携帯電話では日記なんて無理だってば!まじ打ちにくい。あまりにもめんどいので気力がないと長文は書けない。なので、ことりさんのことやしらゆりさんのことを全然書いてないです。ごめんなさい。


さて、もはや旅はおしまいなのでこっからはちょっとしたネタばらしといくつかのエピソードを書く。今日は遊郭へ行くつもりだったが、金おろしてないし明日にしてずっと記事を書こうと思う。ただ、うつがひどくて気力がもつかわからないし、慢性的な睡眠不足なので途中で寝てしまうかもしれないのでちゃんと書けるかはわかりませんが。

僕がこの旅を始めた本当の理由

僕がこの旅を始めたのは、ニートをやめて就職して肉体的コンプレックスは消せなくてもそれなりに社会に溶け込んで一般人としてゆくりと年老いて安らかに生涯を閉じるためではありません。
超人的なタフさを手に入れてきちがいじみた勉強量をこなしてスーパープログラマになるためでもありません。
キモメンだってがんばればできるんだってことを証明して全国のキモメンたちに勇気を与えるためでもありません。
もちろんこれらは完全に嘘というわけでもありません。一応は意識してました。ただしメインではありません。


前の日記を読んでいた人はご存知でしょうが、僕は日に日に非モテという精神的苦痛に追い詰められ、最後はpmokyのように強い男になるために東京まで歩いていくという誇大妄想を打ち立てて収拾がつかなくなり、当然そんなの無理だから閉鎖することにしました。
同時期、心の病も限界を超え、本気で死のうと思い、最後にせめてとヘルスへ行きました。そこで思いもよらぬ心境の変化が訪れ、心がすごく楽になりました。かといって日記をまた始めようとは思いませんでした。nonomachonというネームはもう使えません。こいつは日記は閉鎖したけど旅に出たはずですので、このネームで日記を書くということは、僕は徒歩で東京旅行しなければならなくなります。ありえない話です。
また、実は旅やめちゃいましたとノコノコ出て行ってしまえば、しらけられてしまうだけです。
かといって違うネームで別の日記を書くという気も起きませんでした。僕にとってネット上の人格はnonomachonだけです。偽って記事を書くことはできません。中にはいくつも人格を使い分けている人もいるらしいですが、僕はそんなに器用ではないし、文章を書くという行為に偽りなど混ぜ込みたくなかったんです。だから日記はもうやるつもりはありませんでした。


なのに僕はこうしてとぼとぼと京都くんだりまで来てしまいました。今は大阪に戻っていますが。
どうしてだと思います?
僕は別に一人旅が好きなわけではありません。一人旅なんて一度もしたことはありません。昔東京や日本橋へパソコンのパーツを買いに行ったことがありますが、あれは旅とは違いますし。
体力をつけようとかいう気もありません。だったら筋力トレーニング家ですればよいですし。
ここまで書けばもうおわかりでしょうか?

ちょっとここで筆を止めて菓子の夕食にします。


つづきです。すみません。文章を書く意欲がちっとも湧いてこんのです。最後の記事がこんなよれよれでは申し訳ないのですが、すみません。寝たり起きたりしながらようようと書いてます。

本当は、この記事の内容は最後の最後のとっておきでした。東京に無事ついて、それから書くつもりでした。今となっては意味のないことですが。


さて、僕が旅を始めた理由についてです。それは、僕の前の日記に寄せられたひとつのコメントが発端です。日記本体へのコメントではなく、はてなブックマークのコメントです。どうやらはてなブックマークは、日記本体が消えてもそれに対してコメントができるようですね。消えた記事へのコメントを読むというのは不思議な気分でした。それを読めたのは、たまたま設定していたスクリプトが拾ってきたからです。止めるの忘れてました。
よくわかりません。ただ、それを読んだとき、初めて、心からうれしかったんです。もう日記自体ないのに、わざわざコメントを残してくれた。別に意図があったわけではないでしょうが、とにかく、うれしかったんです。
そのコメントをくれた人のことは前から知っていました。彼女の日記はいつも読んでいたし、僕の記事へTBしてくれたこともありました。そのときは何もレスポンスしなくてごめんなさい。何を書いてよいかわからなかったのです。

で、僕は決めたんです。東京まで歩いて行って、その人に告白しようって。
もちろんしたところでどうになるものでもないのはわかってましたよ。ただ、初めて本気でやってやろうって気になりました。断られようと、そっからが俺の人生なんだって。あほです。すみません。


ま、こんなもんです。やはり男には女以外に生きる理由などもてないようですね。何をしたってどうなるもんでもないでしょう。実は、僕はこれまで人を好きになったことは一度もありません。女性なら誰を見てもかわいいとは思いますが、好きというのとは違います。そりゃそうです。ふさわしくないもん、俺なんて。でも、そういうの抜きで、彼女には惚れました。いや、相手の顔も場所もパートナーの有無も何も知らないですけど。身勝手ですみません。あ、いっときますが、僕は変態ではありません。リアルの僕はむちゃくちゃおとなしいのですので、ストーカー被害とかの心配はしないで下さい。潔く身を引きます。


さて、ちっともまとまってませんが、これがこの旅の理由です。どうぞ笑ってやって下さい。こっからは旅のエピソードをいくつか書いて終了です。淡々としたラストでつまらないですね。ごめんなさい。でも本当にどうしようもなくて。

ひどい

少しでもおとくにしようと料金プラン変更したらパソコンも勝手にリセットされてた。書きかけ記事が消えた。ふざけやがって!一時間も書いたのに…。もういやになってきた。ってそんなに経ってないか。さて、ちょっとシャワーでもあびるかな。いや、めんどい横になる。文章は歌の声と一緒で、生ものである。その時々の感情や環境によってまるで違うものに仕上がる。それはプロでも一緒だと思う。だからテレビの歌手たちのようにどの場所でも何回でも同じ声で歌えているのは、それがただの商品だからである。彼らはたんに歌を売っているだけで、唄っているわけではない。今書いていた記事はもう書けない。内容は覚えていても細かい機微まではどうしようもない。腹が立ってきた。ちょっと休憩。


トイレいったら誰かが入ってるのに気づかずに思いっきり腹立ててがつんとやってしまった。中に入っていた人ごめんなさい。許して。

またヤクザに声かけられた

ここに到着する少し前、大きな交差点を、道を間違えて変なところ降りてしまったら、「兄ちゃん」とまた声をかけられた。昨夜のとは違うが、どう見てもカタギじゃないおっさんだ。すごく人のよさそうな表情を作ってはいるが、にじみでる悪意は隠せていない。案の定仕事をしないかという誘いだった。ただ、今回はもうちょっと情報を引き出してみようと、気のあるそぶりをしつついろいろ話してみた。いろいろ興味深かった。まず、日当は8000円だそうだ。結構普通である。てか地元の仕事よりよほど高級取りじゃないの。寮も完備しているそうだ。で、寮費が一日2800円だそうだ。つまり、差し引き5200円の一日の収入というわけだ。あほか?そんなんで食ってけるかぼけ!しかも、給料は30日ごとに支払う決めだが、ちゃんと、もう仕事の初日から給料の前貸しをしているらしい。2000円くらいを普通はみんな借りるようだ。それに利子とかつけてんじゃないでしょうね?と聞いたら、そこまであくどいことはしないと言っていた。目が笑ってないんだよおっさん。んで、土日とかには1万とか貸してくれるようだ。それで風俗かパチンコでも行けってか?ネットとかじゃあんましいい話聞かないんですが、と言うと、おっちゃんとこは本当に安全だよと何度も言った。ますますうさんくさい。で、俺が、ちょっと用事があるんで、というと、その用事の内容を聞いて、道がわからないんならついていってやるから、それから事務所いこうかといかいってきやがる。やけに親切だな。うさんくさすぎる。いつもここで声かけてるんですか?と聞くと、そうだといった。おっさんのほかにも、いかにもあれなおっさんどもが、見てみると何人も歩道橋の階段でたむろしてる。怖すぎる。おっちゃんとこがいやならほかのおっちゃんとこでもいいとか言いやがって、あほかと思った。僕はちゃんと家もあるし、家族とも連絡とってるというと、別にいやな顔はしなかった。ひょっとすると一応まともなところなのかもしれない。仕事を何日かしてみて、いやならすぐにやめてもらってかまわない。今ならワンルームの部屋が用意できるとか、とにかく、うさんくさい。逃げようとすると強引に笑顔で引き止められる。どうしても勘弁してというと、じゃあ携帯の番号交換しようとか言ってきやがった。ありえないのでこういってやった。「僕もいずれはお金が尽きて困ることになるので、そのときにお世話になるというのではいけませんか?携帯に関しては、そちらの番号だけを教えてもらって、それを僕暗記してますので、春先くらいにお世話になりたいと思います。そのときはよろしくお願いします。」って感じで。なぜ暗記かというと、携帯を出すと奪われそうだったから。結構迫力あるんだから。笑顔なのに悪い笑顔なんだよな。本当の悪党って感じだった。怖い怖い。おっさん言うには、何日か前にも放浪している26歳の若者がいて、誘ったら乗ってくれて、今もちゃんと働いているそうだ。その若者も最初は不審がってたが、今ではすごくおっさんに感謝しているとか言ってた。ほんとかよ。仕事の内容は、道路工事の際に発生するコンクリートの破片とかを回収したりする作業や、ビルのひび割れを補修する作業らしい。なぜか、兄ちゃん手を見せてといわれた。見せてやると特にコメントはなかった。なんだったんだあれは?夜はどこで寝てるのと聞かれたので、道路端とか雀荘というと、マージャン強いの?とか聞かれた。弱いよ俺は。はぁ。タコ部屋みたいな話は現代にはないの?と質問すると、あるにはあると言った。こことは別の場所でもそういう誘いがあって、そっちは本当にやばいとか言ってた。あんたがそっち系じゃない保障はあるの?と聞くと、この顔を見てや、とか言われた。悪いことする顔に見えないでしょ?という意味なのか?あんた顔も悪いけど悪そうなことしてそうな顔してるよ。なんとか振り切って逃げてきた。浮浪者が付近にはたくさんたむろしてたが、彼らにはどうして声をかけないのか?何かあるのかね。まぁ、まだ知らなくていいやそんな世界の話は。ちなみにおっちゃんの収入は寮費と、ドカタの仕事の報酬からマージンをとってるそうだ。へぇぇ、それだけでそんなに儲かるもんかね?なんかほかにもやってんじゃないの?一応携帯の番号は記憶しといてやった。必要なときは頼ってみるか。多分そのときはもう手遅れなんだろうけど。

しらゆりのような人

shirayuriさんについてです。本当に善人だった。信じられないくらいいい人だった。前々回の大阪での夜、別れる際、「見守ってます」と言ってくれた。めちゃくちゃじぃぃんときた。駅周辺にものすごくおいしいカキ料理店があると教えてくれたが、その店は季節限定の店で、あくのはその日の翌日からだった。ついてない。食べてみたかった。味楽園というのがおいしい焼肉店だというのでそこで一緒に食べた。有名人も来る店ということで、プロ野球選手たちの写真が並んでいた。金本とか。確かにおいしかったけど、ジュース飲み過ぎて腹いっぱいであまり入らなかった。もっちきない。彼は大阪近辺の風俗にめちゃくちゃ詳しくて、いろいろな小技も含めてすごく勉強させてもらった。彼は本番行為のみを目的とした風俗には興味がないようだ。遊郭もぷらぷらとしたことはあるけど、雰囲気を楽しむだけで行為に及んだことは一度もないそうだ。女性との会話とかそういうのを楽しむ方がいいそうだ。僕もそう思います。梅田近辺でいちにを争うというセクキャバにつれてってもらった。セクキャバには料金がぴんきりがあって、安い店は本当に安いサービスか受けれないそうだ。教育とかがちゃんとしてる店の方が断然いいそうだ。確かにどちらの店もすばらしいサービスだった。一時間に三人の女の子が入れ替わるんだけど、一人の子なんて会話してたら時間がきてしまった。あんまりである。ちなみに顔だけでみればその子が一番かわいかった。とほほ。セクキャバは初めてだったけど、これが一番自分に合った風俗だと思った。なにしろ服を脱がなくていいのがいい。アトピーとかあんましきにせんでいいから。女の子たちと会話したりキスした時間は、本当に僕の宝物です。ありがとうございました。聞くところによると彼も彼女いない感じだった。がっつり握手したい気分です。大人の男性って感じだった。本当にすごく頼れる人なの。もう。尼崎と沖縄の歴史的な関係とか、いろいろ細かい知識が豊富で、もっともっといろいろ聞きたかったです。旅行がすごく好きで、沖縄とかニューヨークとか淡路島とか他にもとにかくたくさん行ってるみたいです。9.11のときまさにニューヨークにいたというのを聞いたときはびっくりしました。場所は離れてて無事だったそうですが。僕がもっと大人になってちゃんとお酒の楽しみ方がわかるようになったら、また飲みにつれてって下さい。ぜひ!彼に紹介してもらった、有名店というわけではないけど、地元の人はよくくるおいしいラーメン店のラーメンは本当においしかった。あっさりで濃厚なスープは食欲を最適に満たしてくれました。しかもその店はおごっていただいて、ありがとうございます。お仕事は卸商関係らしいです。阪神の大地震で友人が何人か亡くなったとも言ってました。彼もまた、傷を負ってるんですね。で、shirayuriとはお酒の名前だそうです。いつか一緒にその酒飲みましょうね!それでは!本当にお世話になりました。水着イベントでは、僕の方はなんか手違いで、さらにワンクール待たされてしまって、直後用事のあったしらゆりさんとは別れの挨拶もできませんでしたが、あの後僕は結局一回延長して、とても楽しめました。あのお店を教えてもらえて本当に幸せです。またちょくちょく通おうと思います。

酔っ払いことり博士

KotoriKoTorikoさんと話しているときは、もう熱で意識朦朧としてて、記憶が正確かどうか正直不安です。でも書きます。彼も相当な暇人である。何しろ夜中に会って朝方までぶらぶらしながらだらだら会話してたわけだから。京都駅の前のベンチに座って待ってたら横からいきなりニヤニヤしたひょろっとした若者が現れた。内心すごくおもしろかった。だって僕の想像してた通りの人だったから。失礼な意味じゃないので誤解なきよう。できるなら僕と顔を取り替えて欲しい。知的なマッドドクターって感じで、僕もああいう風貌だったら図書館で朝から晩まで勉強できるのに。研究者って感じでめがねが似合ってるよ旦那。彼から聞いた話をつらつらと。あれ?ちゃんと聞いたよね?ブログに書いてもいいですかって。うん、あんまり記憶が定かじゃないけど聞いたような気がする。おーけーだったはずだ。なので無修正で書く。彼は無職で残金2万円だと言った。いきなりインパクトありすぎである。家賃は払ってるので大丈夫だそうだ。全然大丈夫じゃないと思う。そして終始笑顔だった。もう完全に酔っ払っておられた。会ってすぐにこんなことをおっしゃられた。「もっとひどい顔かと思ったけど思ったよりふつー」。おいちょっと待て、そんなこと言われても、ちっともうれしくないんですが…。京都にも結構治安が悪いところがあるらしい。京都は料理がまずいらしい。魚が特にだめだそうだ。彼は結構自分で料理するそうだ。すげぇ。高知のタタキをすごく食べたがっていた。僕がタタキ大嫌いというと好き嫌い多いよねといわれた。あれは好き嫌い別れる料理だから…。大学を8年かかって出られたそうだ。牢名主というやつですね。かっくいい!昔はプリンタのインクを注射器で補充したりしていて、その作業中にあやまってインクを部屋中に撒き散らしてしまって、数万もするなんたら全集という本が台無しになったそうだ。もったいない。プログラミングと西洋の哲学は考え方が似ているとか、女性は優しい男性ならちゃんと相手にしてもらえるとか、朝鮮のスーパープログラマと知り合いでその人最近行方不明だとかビール大好きでここにくるまでに1リットル飲んできたとか結構頭おかしいよねとか言われた。失礼な!あと、歩きすぎだそうだ。そんなことを続けてたら、寿命が数年は縮まると言われた。確かに体壊れないのが不思議です。虫歯を治療せずに放置してきた話をしたら、モルモン教徒の話をしてくれた。彼らは放浪の習慣があって、その旅出の前には、必ずおやしらずを抜くそうだ。虫歯になると大変だから。僕も抜いとけばよかった。くそ、あのやぶ医者め。あと、前いた職場は自分以外全員元犯罪者だったとか言ってた。で、本をもらった。今読んでるけどめちゃくちゃおもしろい!ありがとうございます!まじありがとうございます!あとライターとタコ糸をくれた。なんに使うのでしょうか…。酒もめちゃくちゃ飲むけどヘビースモーカーでもあった。僕と話してる間も、僕に気をつかいながらすぱすぱ何本も吸ってた。プログラミングとかにまで教養の根が広がってる人で、会話の途中で彼からUNIXがああだこうだというのが出たときは僕は恍惚としていた。彼は社会学が専門のフィールドのようだ。日本の社会学は評価が低いらしい。やっぱ日本語の壁があるからかな。それとも…。神戸の友人の心酔している教授のメインの研究テーマが、「関西と関東のトイレットペーパーの差」らしいが、なるほどうなずける話である。とにかく得たいの知れない人だった。どれだけ知識が深いのだろう。できるだけたくさんのことを吸収したい。明日彼と飲む約束をした。彼と会った後どっかで飲もうとぶらぶら探索したけどどこも開いてなかった。彼とはローソンで一緒にコーヒー飲んだり、つまみとビールとウイスキー買って飲んだりした。つまみとかお菓子とかコインロッカーとかいろいろ金を出してくれた。ありがとう!僕がチョコレート買ってつまみにしようとしたら、ビールとじゃあわないからとウイスキーをすすめてくれた。確かにチョコとウイスキーはあいました。しらゆりさんのおかげでお酒に対する耐性がついたので、普通にウイスキーもいけた。他にも、京都は、観光名所とかよりも、普通の町中の小道とかがいいらしい。地面の下を水が流れている通りがあって、そこを自転車で通るのがすごくいいとか意味のわからないことを言っていた。九州の方の出身だと言っていたような。とにかく、朝の5時半ぐらいだったかな。そのくらいまでずっと話してた。わざわざ会いに来てくれてありがとうございます。明日、楽しみにしてます。素面で来てくださいね…。

最愛の弟

前にギターを弟から習ったって話を書いたが、その弟について、ちょっと書いておく。こんなことをネットで書くことは許されざることだと思う。でも、弟はもう大丈夫そうだし、彼のことを書くことは意味があると思うから、書く。
長いよ。でも、きっと得られるものがある。最後まで読んでくれ。


弟とは二歳年が離れている。小さいころから、ケンカばかりしていた。そのくせ、いつも一緒にいた。テレビゲームのソフトを買うときも、両親はひとつしか買うつもりがないのに、僕らがそれぞれに自分の欲しいものを主張して絶対に譲らないから、結局二つとも買うことになる。僕はゲームを選ぶセンスがなくて、僕が買うゲームはいつもつまらなかった。たとえば、僕がガンダムの「円卓の騎士」っていうクソゲーを選んだとき、あいつは「聖剣伝説」を選んだ。ゲーム雑誌とかの情報は一切ないのに、彼はちゃんと見抜いていた。弟とはちょうどひどい仲たがいをしていて、僕はいつも指をくわえて弟がゲームするのを見てた。やらせてともいいづらい。そのゲームは二人プレイが一応できるやつだったけど、そのまま何もいえずにずっと見てた。記憶は飛ぶけど、僕は弟とそのゲームをした。どっちから言い出し方は覚えてないけど、仲直りしたみたいだ。駄々っ子で、わんぱくで、憎くて大嫌いだけど、俺の弟、大好きな、俺の弟。


僕には弟と妹がいる。兄弟の中で、僕だけが顔が悪い。ふざけてる。弟は中学生のときから普通に彼女とかいたみたいだった。


ボールぶつけあって、爪立ててひっかきあって、それでも僕らは兄弟だった。僕がどこか行くと、必ずあいつが一緒にいた。川へ行くときも、海へ行くときも、ときどきあいつがいないときがあると、なんかさびしかった。小学生のとき、彼には同年代の友達もそこそこいたようだけど、僕の友達とを交えて遊ぶことの方が多かった。たくさんいけないことをした。物流会社の倉庫のガラスをみんなで一斉に石をなげて破壊したり、スーパーでお菓子やアイスをたくさん万引きしたり、もちろん全部あとからばれて、親からはこっぴどくしかられたが。


中学生になると、弟は僕のそばにいなかった。いや、僕が悪かったんだ。いろいろあって、あのころの僕はすごく荒れてた。部屋に閉じこもってゲームばかりして。どうやら悪い友達と付き合っているらしかった。地元でも有名な不良のリーダーの舎弟のようなものになっているらしかった。でも僕にはどうもでいい話だった。僕はゲームだけしていた。そればかり考えて、現実から逃げていた。


僕が高校3年の夏、事件は起こった。すべてを変える事件、すべてを終わらせて、引きちぎって、もう二度と元に戻すことにできないくらい深い傷。僕は、毎日毎日泣きながら夜の田舎道を走った。ランニングの趣味ができたのはこのことがきっかけだ。弟は死んだ。きれいな顔の、小柄で愛嬌のある、憎たらしいけど大切な、あの弟はいなくなった。


そのとき、僕はネットゲームをしていた。夜中の2時半くらいだった。電話がなった。電話は一階にあって離れているけど、どうしてか聞こえた。そして、胸騒ぎがした。さっきサイレンが聞こえたからだ。消防車のサイレン。もう取り返しのつかないことが起こってしまったのだと知るのは、その直後のことだ。親も寝床から出てきていた。そのころはもう弟は家によりつかなくなっていた。家族でもいろいろ話したけど、いつも最後は僕と弟の殴り合いになってしまってどうしようもなくなる。弟は高校へは行かなかった。


赤い点滅が夜の闇に反射する。たくさんの野次馬と、たくさんの消防員、そして燃え上がる家、弟と不良が手当てを受けていた。手当て?いや違うな。あれはただ水をかけられていただけだ。二人とももう人間じゃなかった。体中にひどい火傷を負っていた。僕は弟を見た。これがあいつなのか?なんだよ、これ、ただのゾンビじゃないか。そんなことを冷静に考えていた。でも、それはただの緊急回避だったのだ。失ったのだと気づいた。僕が殺してしまった。僕が家庭を壊したから、それで、あいつは…。僕は家に逃げ帰った。そしてネットゲームを始めた。逃げたい。逃げたい。病院から連絡があった。人間は全身の3分の1に重度の火傷を負うと相当あぶないらしい。弟は全身の3分の1.5に焼けどを負っているそうだ。多分もたないらしいと聞かされた。弟は痛みで叫び続けているらしい。手の施しようがないそうだ。医者もまだ来ていないらしい。とにかく今日は寝ろといわれた。僕は無視してネットゲームをする。何も考えられない。


ガスに引火したらしい。弟とその不良のリーダーは、そのリーダーの家の倉庫で、ガスを吸っていたらしい。そして、そのガスにライターの火が引火したそうだ。ガスで頭がいかれている状態でそこまで気がまわらなかったのだろう。ライターを着火したのは弟の方だそうだ。そして、そのことが理由で、その不良のリーダーの親から、ずいぶんな額の賠償金をとられた。示談で終わらせたらしいが、1000万円を超える額だったらしい。ガスを弟にやらせたのはその不良なのに、なんでなんだよ。


僕は、弟はその不良と好きで一緒にいるのだと思っていた。でも違った。弟の腕には、たくさんのタバコで焼いた跡が残っていた。そいつにやられたようだ。おもちゃにされていたらしい。僕たちがそのことを知ったのは、もっとずっと先の話だ。弟は一命をとりとめた。ただし、溶けてしまった皮膚はもうどうしようもない。なによりむごいのは、あれだけ整っていた顔が、もろに全部焼けていることだ。はだしのゲンに出てくる原爆でやけただれた人たちと同じ顔をしていた。あまりにもむごいと思った。どうやって生きてゆける?こんな体で。


弟は、手も、足も、背中も、ほとんどの部分にひどい火傷を負っていた。火傷には1度から3度まであるらしいが、確かひどいところは3度手前くらいだったらしい。ここらへんは僕は知識がない。逃げて家に閉じこもっていたから。僕は弟の見舞いには一度も行かなかった。行けなかった。見たくなかった。写真で見てどんな状態かは知っていたけど。なんで写真なんかとったのかって?親がとったんだよ。この写真がこの子がこれから先生きていくために必要なんだってね。よくわからん。なんで火傷のひどい顔の写真がそういうのになるのかな。


火傷を負った体からはいろいろな体液やらなにやらが噴出すらしい。弟は入院直後、ベッドで横になって寝られなかったそうだ。だからベッドを立てて、うまいこと背中が接触してもましなようにしていたらしい。ここらへんは記憶があんまりない。


僕が弟と再会したのはそれから半年以上も先のことだ。弟は、生きてるのか死んでるのかわからない表情をしていたような気がする。気がする、というのは、直視できなかったから。顔はぐちゃぐちゃなのに、目だけは、あのころのあいつなんだもん。ふざけるなよ。なんだよそれ。


僕は弟にノーパソをあげた。ネットゲームを教えてやり、弟は楽しんでやっていた。僕たちはあのころの兄弟にまた戻れた。でも、それはやっぱりかりそめだった。弟はそれから数ヶ月もしないうちに、警察に逮捕された。パトカーを集団で襲撃したらしい。弟は先発をやったらしい。あの不良との関係は、切れてなどいなかった。僕はそいつを絶対に許さない。弟を壊した。あれだけ可能性にあふれていた弟は、今はもう何もできない体になっている。就職なんて絶対にできない。なのにそいつは、火傷が軽いのだ。弟よりはるかに。当たり前で、引火したのは弟がライターでタバコに火をつけようとしたところだからだ。そのとき爆発が起きた弟は真正面からそれに包まれた。かわいそうだよ。あんまりじゃないか?そして弟は少年院にはいった。以前から補導暦等あり、さすがに警察も看過できなかったようだ。半年以上出てこなかった。


次に家に戻ったとき、弟は以前より明るくなっていた。刑務所でいろいろな出会いもあったようだ。塀の中から手紙が何通かきた。それには家族への謝罪と感謝が書かれていた。僕宛にも、ごめんなさいと書かれていた。弟は知っていたようだ。僕が大学進学をあきらめた理由を。経済的にどう考えても無理だった。僕にだってわかる。あれだけのことがあって、数百万くらいじゃ絶対に済まない。裁判がどうなるかしらないが、もし負ければとんでもない額の賠償金を背負うことになる。そのときにはまだ示談の話さえ出ていなかった。それに、弟の治療費にしても、相当な額がかかったようだ。親は言ってくれなかったが、ネットでいくらでも調べられるんだ。それなのに僕だけぬくぬくと大学生活を送れるはずがない。なにより家族をおいていけない。妹はまだ中学生にもなっていないのだ。でも、なのに僕は働くことができなかった。働きもせず、マージャンばかりやっていた。自分でも意味がわからなかった。僕が家族を支えなくちゃいけないのに、なのに何もする気がおきない。どうしてだったのか、今でもわからない。いや、今も働いてないけどね。クズなんだろうな真性の。


弟は、また事件を起こした。また、あの不良と。父親の車を勝手に乗り回し、走行中のほかの車にぶつけてしまった。幸いけがとかはなかったが、相手の車を弁償するはめになり、400万くらい消えた。しかも即払いだったらしい。相手は教師のくせいに容赦がないんだな。弟は前歴もあり、どうしても事件を大きくしたくなかった親は、相手の理不尽な条件を飲んだ。保険会社の人も、あれはひどすぎると憤慨していた。詳しくは知らない。おいおい、うちにはもう金なんて残ってないんだぜ?


弟は、雇ってくれる人のいい居酒屋があり、そこで料理人の修行をすることになった。手にはひどい火傷があるが、それでもかまわないといってくれたそうだ。そこの先輩たちにもよくしてもらい、毎日大変だけど楽しそうだった。でも、弟はなぜかやめてしまった。弟は労働環境が悪すぎるみたいなことを言っていたが、僕にはわかる。皮膚が原因だ。僕にもできない。だれだってそうだ。できるわけがない。ましてや料理など、絶対に。


弟は絶望したんだと思う。だから、手首を何度も切った。遺書まで残して。僕は今でもその遺書の内容を覚えている。漢字全然知らないんだな。馬鹿だよお前は。


僕は何度も弟に言った。お前なんかいらない!死ねっ!ってね。殺してやるといって何度も殴りかかった。わかってた。気づいてたんだよ。そのときあいつ、同じように怒ってたけど、すごい悲しい目をしてた。ごめんよ。本当にごめん。何もしてやれなかった。なんのためにいるんだろうな僕は。


それからしばらくして、いつの間にか玄関に女物の靴が置かれているようになった。隣の弟の部屋からあえぎ声みたいなのが聞こえることもあった。いやまじで。で、二人は結婚した。弟の相手はひとつ年上だ。そして、弟は変わった。


誰も救えなかった。僕も、親も、どんなに手を尽くして言葉を尽くしたって、だめだった。だからその女性には僕は頭が上がらない。心から感謝している。彼女が救ってくれた。彼女は子供を身ごもり、今ではその子は2歳手前だ。すごくかわいい女の子だ。僕にはちっともなつかないけどね。


弟は今では太ってしまって、見る影もない。火傷の跡は、年月とともに少しずつよくなってはきている。ある程度以上は無理らしいが、最終的には皮膚移植だってできるだろう。顔もちょっとした化粧をすることで、普通の顔にある程度は近づけられている。今では僕は弟とギターの話ができるようになった。冗談も言えるようになった。また二人でテレビゲームをしたい。いっつも俺ばっか勝ってたけど、次は負けてやる。一生お前のことを考えて生きる。移植の金も、俺がなんとかしてやる。今はまだ無理だけどね。


弟は嫁と娘を連れてよく実家に遊びにくる。夫婦で楽しそうに話してるところなんて、本当に幸せそうだ。僕が姪を抱き上げようとすると、彼女は泣きながら親の所へ逃げていく。近頃はずいぶん語彙も増えて、いろいろ表現できるようになった。僕はおんちゃんとよばれている。まだ「ん」がちゃんと発音できていない。そして彼女は父親に抱きつく。父親が彼女を抱き上げる。僕はいつまでも、そんな弟を見ていたい。

駅についた。しらゆりさんとわかれた。京都に向かう。

しらゆりさん、世話になりました。夢、叶いますよ、きっと。僕に力になれることがあれば、なんでもやりますので、声かけて下さい。旅を始めてよかった。こんなに素敵な出会いがあるなんて思いもしなかった。ありがとう大阪!ありがとうしらゆりさん!そして、僕の相手をしてくれた女の子たち!ありがとう!一生の思い出ができました!