病院の待合で老人たちの末席に連なったおかげで驚くほど読書がはかどった。「行人」を読了した。漱石はむしろ「こころ」に「行人」とつけるべきだったし、「こころ」の方がよっぽど「行人」だろうと思う。 「行人」の白眉はこの一文であろう。 「噫々(ああ…
娘が絵をくれた。家族の絵だった。私の絵だった。その絵を壁に立てかけておいた。 今ふとその絵を見た。私はその絵の中の中心だった。一番大きな表面積を与えられている。その意味を考えずにおれない。
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