「原発はなぜ危険か」読書中

1990年発売の田中三彦著「原発はなぜ危険か」に笑える記述があったので引用。

たとえば、原発の安全性が議論されるときかならず取り上げられる代表的な想定事故の一つに、「冷却材喪失事故」というのがある。原子炉圧力容器に出入りしている冷却材用配管が突然何かの理由で破断し、そこから冷却材(水)が一気に噴出するーーこれが、安全評価において想定されている冷却材喪失事故のはじまりである。
この初期の時点で、もしすみやかに適切な対応や処置がなされなければ、その先どんなことになるだろうか。当然、圧力容器内部の冷却材は、風呂の栓が抜かれたように、急激に減少しはじめる。そしてそれまで冷却材のなかに浸かっていた核燃料が、徐々に水面に顔を出す。顔を出した燃料棒の温度はたちまち数千度に上昇するだろうから、その部分が溶解する(メルトダウン、ないしは炉心融解)。さらに事態が進行すれば、圧力容器のなかの冷却材が完全になくなってしまう”空焚き”状態になり、数千度の高温のために、燃料のみならず容器のなかの内部構造物、そして巨大な容器自身さえ、溶解するだろう。圧力容器が溶解すれば、それを覆っている薄い鋼鉄でできた一次格納容器も、あるいは周辺のコンクリートも溶解し、それらは塊となって地下にもぐり、その過程で施設内の水や地下水と接触して水蒸気爆発をおこすかもしれない。
一般に「チャイナシンドローム」の名で呼ばれているこうした話を、ありえぬこととして一蹴するわけにはいかない。

今回の福島原発事故は、「「「必ず取り上げられる代表的な想定事故の一つ」」」なわけだ。それすらもこのお粗末な対応なわけで、日本人頭悪すぎるとしかいえない。もういやだ。こんなに頭の悪い民族と同列に思われたくない。逃げる。俺は逃げるぞ。もう少しで「えいごであそぼ」の朝の分の再放送がある。見るぞ。