2010.08.17 08:50

荒川智則は眠りにつこうとしていた。何か変化が訪れたわけでもない。ただ傷ついて、失うだけの一日だった。でもそれは、これまで荒川智則が送ってきた日々と何も変わらないのだった。荒川智則が眠りにつく直前に思い描いたイメージがあった。娘の笑顔と、妻の怒ったような困ったような顔だった。妻が娘にスプーンを持っていくと、娘はそれをつかんで振り回すのだ。スプーンに乗せたご飯が辺りに飛び散って、妻はよくそういう表情をしている。娘はきゃっきゃと笑って気にもしていない。荒川智則は安らいだ。そして眠りについた(twitter)。