2010.08.17 03:40

勝負は山あり谷ありながら、中年が負け続けで帰ってしまったあとにハワイ風のおっさんが入ってからは、平坦に進んでいた。荒川智則はプラス1万円くらいだった。突然ハワイがツキはじめ、4連勝してしまう。荒川智則は手持ちが一万円になってしまった。その後も現状維持が続き、スーツが破産してサラリーマンもハワイも帰ってしまった。卓割れになり、荒川智則はもうひとつの卓へ移動する。やくざ風の肌の黒いおっさんとタバコをやたらにふかす婆さんと風俗帰り風の男性だった。いきなり婆さんが高い手をあがり、風俗の親っぱねに振込み、荒川智則はあっという間に死にかけになってしまった。そして最後はリーチも出来なくなり、なんとか聴牌したが、婆さんが一発でハネマンをツモ上がり、荒川智則はとんだ。綺麗に金がなくなった。荒川智則は席を立った。本当は一日中やるつもりだったが、金が尽きたら仕方がない。麻雀の神様に礼を言って店を出る。つらいことがあるといつも麻雀に逃げていた。たとえ勝っても負けるまでやり続けた。麻雀で大金を失うと、とても虚しい気持ちになる。何をやっているのかと悲しくなる。少し経てば、それは反転してエネルギーになる。荒川智則はそのエネルギーに助けてもらうときが幾度かあった。しかし今度は重症らしく、エネルギーどころか余計に虚しくなるだけだった。