2010.08.16 18:20

その世界は最新の統合開発環境とは違っていた。画面が1クリックで土台が作成され、部品をメニューから選んでドラッグアンドドロップしたら配置完了して、部品をダブルクリックしたらイベントハンドラのベースが作成されてコード画面に飛んで、あとはイベントを書いて終わりという世界ではなかった。全ての部品の初期化、配置優先順位、後始末、イベントハンドラでの様々な制約、アプリのフレームワークとの複雑な制御手順、イベントをもらってアプリのロジック部分に配送するときの複雑な手続き、携帯電話のあらゆるイベントでの個別の応答規則。誰からアプリを起動されたかによって複雑に変化するインタフェース。起動するのはユーザだけじゃない。別の様々なアプリから起動されうる構成だった。多種多様な情報を渡され、どれを自分で保持してどれを他に渡して結果を受け取ってさらに配分するのか、そして携帯電話アプリにとってある意味最悪の敵、ちらつき。画面を描画するときにちょっとした処理負荷や制御ミスで画面がちらつく。それはユーザに強い不快感を与えるので、たかが見た目の問題でも絶対にあってはならない。