目の前を歩く女子高生の太ももを眺めながら駅へ向かっていると、その女子高生が別の女子高生と合流した。どちらの太ももを眺めるか逡巡していると、どうして私は逡巡しているのだろうと思った。迷っている理由は、二人の太ももが、どちらも同じレベルだったことにあるようだ。足の白さ長さ透明度どれをとっても遜色ない。しかし一点気になったのは、スカートの長さまでまるで計ったかのように同じなのである。ハッとした。ちょうどニコニコ動画ドワンゴの話の新書を読んでいるのだが、どうして優秀なやつらの周りには優秀なやつらがいるのだろうと思った。進化論的に、自分の周りと同じような特性を自らも備えた方が生き残れる可能性は高い。カメレオンのような性質は人間に本来的に備わっているものだ。それは意識的に発動する能力ではないが、知らず知らずのうちに周りと同質化しようという本能は働いているのだ。そしてその本能の精緻さは言うまでもない。二人の女子高生のスカートの長さがあそこまでぴったり同じなのはそのせいだったのだ。これは怖いぞと思った。日頃から周りにどんな人間が配置されているかによって、ファッションから思想や能力ま
で甚大な影響を被ることになる。つまり、周りが能力的にカスなら、自らもカスということになる。職場の同僚を思い浮かべる。早いとこ身の振り方を考えないといけないなと思った。