最近、仕事がまじにきつくて、今度はとうとう負けるかもしれないと、ものすごくいやな気分である。今日昼間3度寝たが、1度目はリストラされる夢を見た。マネージャに呼び出されクビを宣告される俺。品質が悪すぎる話にならないと罵られる。俺にも言い分がある。他のしょぼいやつらのミスや進捗遅れのサポートで足を引っ張られ、残業規制で時間は削られ、スケジュールが無謀で、全力投球しても追いつかない。だいたいなんでと言い訳を言おうとすると電話口から罵詈雑言が追加されるだけで電話を切られてしまう。頭にこれから生まれてくる子供と妻がよぎる。負けてしまったという屈辱と空虚さでいっぱいになる。2度目はクーラーつけ忘れで暑さで目が覚める。三度目の夢は規模大の追加要件が発生する夢だった。もう無理です。今更こんなの入れられるわけないでしょう、で目が覚める。昨日も休日出勤だったが、スケジュール未達成なのにリーダーが3連休残りは休むとか判断下しやがった。俺たち外注は社員がいなきゃ深夜残業も徹夜も休日出勤も出来ない。他のやつらのバグ解析に駆り出され結局自分の作業は出来ないまま終わった。あいつら何時間経っても解析が進みやしない。環境構築くらい出来るだろと任せたらハード壊すわ手順がわからないやらで構築できず俺がやるはめになる。結局何もかも全部俺がやるはめになる。なのにそいつらの仕事が終わったら休日出勤はなくなってしまう。そして俺のところを手伝ってもらおうにも能力的に邪魔になるだけでどうにもならない。迫る納期に連日の終電生活でなかなかおもしろいことに気付いた。これは軍曹の話と同じではないか。蓄積した疲労は生産性や思考力を低下させ自分がやっている作業を少しでも意識を切ると何をやっていたかわからなくなり最初からやり直すはめになる。以前仕事中に切れるカスがいてうざいという話を書いたが、俺もそういう人間になりつつある。最近はかなりキレぎみになることが増えた。そういう精神状態がさらに生産性を落とす。悪循環である。これでは俺一人の方がはるかにましである。俺一人にマシン6台と休日出勤徹夜できる裁量性があればこんなことにはならなかったのだ。今週連休が明けたら地獄が待っている。あとは神に祈るだけだ。そんな中「害虫の誕生」という新書を終電の中で読んでいると興味深いことが書いてあった。一部の地域ではかつてチャバネゴキブリが「コガネムシ」と呼ばれていたそうだ。なんとかという童謡の歌詞に出てくる「コガネムシ」とは「チャバネゴキブリ」を指しているというのだ。昔は一般家庭は貧困で食うものも備蓄されていないからゴキブリが出る要素なんてなく、ゴキブリが出るのは裕福な家庭の証だったそうだ。むしろステータスだったというのだ。なんということだ。よりにもよってあの史上最凶の生物をコガネムシとしてありがたがるとは。つい最近も夜中に耳元でやつらの気配を感じて殺人現場の第一発見者になったような叫び声を上げてしまった。この前も終電から帰ると玄関前にやつがいて泣きそうになった。ゴキブリがなんでここまで恐怖の対象になるのか。それはやつらに対抗することが出来るからである。ゴキジェットがあれば我々にも奴らと正面きって戦うことが出来る。しかし、それがいっそうのやつらへの恐怖を掻き立てるのだ。いっそ勝つことが出来ないならあきらめられるのに。プログラミングには銀の弾丸はないといわれる。しかしゴキジェットはあるのだ。それが駄目なのだ。もしこのプロジェクトを生き残れたら、俺は以前から暖めていた計画を実行に移そうと思っている。そのためにも負けるわけにはいかないのだ。