昼休みに社長に呼び出しくらって「勤怠悪すぎ」と警告された。こんなご時勢だからマイナスなことをしているとそれが原因で仕事を切られかねないということらしい。自分ではそんなに勤怠が悪いつもりはないのだが、出勤日の半数以上を遅刻しているらしい。俺の持論では、時間をきっちり守るような人間に優秀なやつはいないなので、時間にルーズなのはむしろステータスなのだが。昔先輩から聞いた話では、今はもういないが、その昔召喚獣と呼ばれた人がいたらしい。むちゃくちゃ優秀だが、あんまり仕事に来なかったようだ。先輩いわく、神様みたいに優秀だけど仕事に安定して来ない人間よりも、多少優秀でなくとも時間をきっちり守って安定して出勤してくれる人のほうがありがたいとのことだった。俺は反対で、技術者として、朝時間通りに出勤することになんの意味があるだろうかと思う。会議とかあるならそりゃ仕方ないが。朝9時にきっかりしてまじめそうな顔して座っている奴のほとんどは無能である。そいつらが一日がむしゃらにやったって、優秀な人間が10分で終わらせられる作業に歯が立たないのが常である。歯が立たないというのは文字通り致命的で、彼らがいくらがんばっても10年かけても終わらない可能性がある。ホワイトカラーエグゼンプションだって、労働者に本当に時間的裁量性を認めて、朝何時から来ようと仕事が終わってるならよしとなるなら、俺は大賛成である。残念ながら俺は年収400万など余裕で無いので、適用外だが。これだけ書くとただの愚痴野郎だが、フェアじゃないと思う点もある。俺は「プログラマーのジレンマ」でいう「ハッスルプレー」を好む人間で、自分が一番重い作業をいつも引き受けてやる上にノウハウのドキュメント整備までしてやって凡人が詰まってるところにいちいち背景の解説つきで説教をしてやりリポジトリやらインフラまで整えてやるといういたれりつくせりな人材だが、自社からそこのところの評価を受けたことは一度たりともない。だのに、朝9時にきちんと出勤しているかどうかなどとどうでもよいことをつつかれて失点とされるのである。なんとも面妙である。つまり、自社にとって俺が勤怠をきちんとしていて仕事で大ポカをやらかさないかだけが重要であり、俺が技術者として蓄積することに対する見返りは一切ないのである。もし俺が仕事にやりがいとかいきがいを求める古典的な労働者だったら、さもむなしいだろう。最高の妻というのが何を指すかは人によるだろうが、俺が考える最高の妻には明確な像がある。キムタク主演の「HERO」に登場する酒場のマスターがそれである。キムタクがいつもおいてありそうもない風変わりなメニューを言って、まさかないよね?というのに対していつも、「あるよ」とぶっきらぼうに答えて料理を出す。昨日妻に対して「冷えたペプシある?」と聞くと「あるよ」と返ってきた。俺は実に小気味よい気分になった。日本女子にあたっては、すばらしき花嫁を目指すのであれば、「あるよ」を心がけるべきである。それは単純に夫が要求する食べ物を即座に提供できるかとかいう狭い話ではない。包容力や母性の話である。これが技術者ならどうだろうか?それできるの?という質問に、「出来るよ」と答えるのがそれであろう。俺はそういう技術者でありたい。そういう思いもあって、今日からチームメンバーに対するサポートを再開することにした。俺は他人の評価などどうでもいい。自分がいかにハッスルして技術蓄積できているかがよっぽど重要である。それには可能な限りなんでもやるべきだという結論に至った。