本当にこの部屋ともお別れか…

新しい季節、新しい出会い、新しい生活、そういったものには憧れてはいるが、しかし、いくらそういった新鮮な空気を鼻の穴をめいいっぱい膨らませて吸い込んだところで、数秒もすればそいつは体内で換気されて体外へ排出されるさ。コーラと一緒だ。開封一番最初の一口は超うめぇが、残りは残りかすみたいなもんだ。人の人生ってのはおいしそうなケーキみたいなもんだ。みんな一番クリームがたっぷりの所を最初にがぶがぶくっちまって、のこったのはクリームもついてねぇスポンジ部分だけだ。ある程度食を進めれば、ケーキ置いてる銀紙の底が見えてくる。そっからは恐怖だ。もうすぐ終わる。もう終わるってぶるぶる震えながら生きるしかない。俺はいつたっぷりのクリームを食ったんだっけか?いいや、食ってねぇんだ。他の奴にとられちまった。世ん中ジャイアンばっかしだ。人のものを奪って浪費して自分のにはちっとも手をつけないインチキ野郎ばっかしだ。ああいやだいやだ。