風力発電

内山 日本に欧州の手法はそのまま当てはまらない。台風が来るところでは風力発電の設置にはコストがかかる。風況のよい海上設置も、海深く土台をつくるためコストが高い。そういう中でも造るとなると補助金頼みになる。だれが出すのか。バイオマス資源でも、日本は原料の樹木が傾斜地にあり利用しにくい。
飯田 違うのでは。九州電力が今春、風力発電を募集したら、190万キロワットの計画の応募があった。しかし、枠は15万キロワットで、抽選に外れると受け入れてもらえない。事業ができる場所は多いのに、できない。受け入れ制度をきちんとつくれば事業はまだまだ増える。
内山 再生可能エネルギーが増えていくことを期待している。しかし、日本では風力は夏場の電力ピーク時の発電量が少なく、電源としての価値が低い。また、自然条件に左右され、変動も大きい。
飯田 変動はそれほどの弱点にならない。電力需要は常に変動しているから、電源の一つの風力発電が変動しても問題にならない。デンマークでは、風力を変動する「ベース電源」として使っている。
内山 日本では欧州と違って、電力系統の末端部に設置されるケースが多く、電圧や周波数の変動もあり、経済的に導入できる量は限られる。

東西日本での周波数の違いは絶対に統一しないといけないな。風力発電太陽光発電でどこまでいけるのかな。でもやるしかないだろ。原発はもう無理だろ。

政府は最近「原子力自然エネルギーも大事」と言い始めたが、政策はそうなっていない。国内には世界第3位の数の原発があり、順調に稼働すれば電力構成比では上限に近い約35%の発電能力をもつ。温暖化防止にすでにかなり役立っている。一方、太陽や風など自然エネルギーによる発電は10年度の目標が発電量の1.35%とあまりに小さい。世界で急伸している風力も頭打ちで、03年の世界6位から、06年には13位に落ちた。原子力大国の日本が今増やすべきは自然エネルギーだ。