日本の有名デザイナーがデザインした下半身パンツ丸出しの着物衣装が物議をかもしている。日本人の品性を疑われるということらしい。私には新時代を飾るに相応しい素晴らしいデザインとしか思えなかった。アフリカだかの裸族がセックスのときだけ服を着るのはよく知られた話であるが、服というのはその起源からして性的魅力を高める装置なのである。そういう意味からして現代人が四六時中服を着ていることの方が異常である。服の効果はもうひとつあってそれはまさに多い隠すためにある。肉体的ハンデを見せないためである。私など三段腹であるからしてゆったりした服には感謝しても足りない。最近は夏だからして女の人の素足を観察する機会も多いが素足の指の並びはお世辞にも美しいとはいえない。大概外反母趾ぎみの不揃いのリンゴである。ハイヒールというのはまさにそれを隠蔽するためのものである。従って、今回の下半身露出衣装は、日本人の恥どころか全く逆で、日本人の復権でなのである。欧米人たちと対等に性的玩具として渡り合えるという自信の現れである。民族の誇りを取り戻したのだ。やっと世界にニッポンジンが帰って来たのだ。ただ残念なのは
、この衣装はたんに「パンツじゃないから恥ずかしくないもん」と世間を騒がした例の萌えアニメのパクリであることだ。パクリを隠すために着物にしたのだろうが墓穴であったのだろう。ファッションだのセンスだのに執着している人間に知能指数チンパンジーを超えるものなどいないのである。私はファッションには一銭も金をかけない。無駄だからだ。ファッションは装備品でしかない。レベル上げをした方がよい。電車の窓から河川敷が見えた。いくつものテントとほったて小屋があった。さぞ暑いことだろう。もしこの電車から降りてしまったらああなるのだ。勇気をもらった。人に勇気を与えられるのは人だけである。ホームレスたちが流す汗を思った。