きなこちゃん

僕はもうそろそろ24歳になります。来月の21日が誕生日です。何か会って誕生日プレゼントが欲しい気がしますが、今の僕はもうなんていうか見る影もなきほどに肥満なので恥ずかしくて会えません。今僕は電車に乗っています。湘南新宿ラインです。javascriptの本が発売したのでジュンク堂に買いに来たのです。今その帰りです。いや、正確にはジュンク堂で本を買ったあとに雀荘に行ったのです。事情があったのです。誓ってここ最近の僕は雀荘には行っていないのです。しかし寸志とはいえいくばくかの金が入った気のゆるみと、新宿には実は本の他に盆に帰省するためのバスのチケットを買いに来たのですが、ジュンク堂で本を2冊で8000円買ってしまい、図書券五千円分では足らなくて、しかし千円札が財布の中に二枚しかなく、一万円札を使いました。しかしジュンク堂を出て念のため財布の残額をみてみるとなんと4万五千円しかありません。しかもうち五千円は図書券なのです。バスのチケットは二人分で四万五千円です。しかし図書券が使えるわけもありません。よく考えれば2冊の本は一冊ずつ買えばよかったのですが、僕
は人よりちょっと頭が悪いのでそのときは思いもよらなかったのです。しかし僕は途方に暮れたりたしません。今の僕はちょっとやそっとではへこたれないのです。そうだ雀荘へ行こうと思いました。たかが五千円一回トップとればゲットじゃんと考えたのです。なんて愚かなんでしょうか。僕は一回戦目見事にビリをとりました。七千円減りました。この時点で僕は自らの過ちを認めるにやぶさかではなかったのですが、もう遅いのです。このままでは僕は妻に本を余分に一冊多く買ってしまったことに付け加え、麻雀に行ってしかも負けてバスのチケットは買えませんでしたと報告しなければなりません。きなこちゃんは知らないと思いますが、僕は今や立派な恐妻家なのです。麻雀に行ったあとの妻は本当に怖いです。僕はもうあとには引けずに麻雀を続けるしかありませんでした。もちろんまたビリをとりました。二万円なくなりました。僕は初めて麻雀が怖いと思いました。卓を囲むおっちゃんたちが鬼か悪魔に見えます。もうどうしようもありません。僕は本を余計に買ったあげくバスのチケットも買わず雀荘に行き二万円すったのです。僕はもうどうでもよくなって麻雀を続け
ました。三着三着と続いて三万負けました。でもそのあとなんとか巻き返してマイナス一万まで戻しました。そこへ妻からメールが来たので適当にはぐらかしましたが最後は雀荘にいることがバレました。そしたら妻からはやく帰ってこい話があるとメールが来ました。僕は怖いので帰るのを拒否しましたが結局帰ることにしました。すると帰りの電車が人身事故の影響で超遅れました。さっきから妻にいくつかメールを送りましたが返信が来ません。僕はどっかの居酒屋で酔いつぶれたい気分ですがこれ以上金は減らせません。うちは貧乏なのです。妻が怖いといっても何を恐れているのかと思われるかもしれませんが、妻は切れると言葉で責めてきます。僕がいかにクズであるか思い知らされるのです。僕は怖いです。なので帰ったらこそこそと奥の部屋に行って朝までjavascriptの勉強でもしてようと思います。きなこちゃんは社会人生活に慣れましたか?セクハラオヤジはいますか?僕の職場には女性自体滅多にお目にかかれないのでそういった意味では平和です。仕事もきついですけど人間関係がそれなりにできていればかなり軽減できることを学びました。僕はチーム内で
はかなり歳が離れているのですがベテランさんたちともつまらない冗談を言い合えるくらいの良好な関係が築けているつもりです。でも結局技術職なのでいくら人間関係がよくてもそれだけではもたないのですが、それもなんとかなっています。ああ、駅につきました。何かビデオを借りて帰ろうと思います。妻の怒りが治まっていることを祈るばかりで
す。本当に怖いのです。