現れた男

何がなにやらわからんうちに、その男との会話は進んでいった。はっきり言って、期待外れだった。俺はてっきり、俺専用の肉便器を用意してくれているか、さもなくば、すでにホテルに準備が整っておりますと笑顔で手を差し延べるか、実は私は一見男に見えるが性転換は済んでいる、さあ行こうと切り出してくれるかと思ったが、この純朴そうな青年にそんな気配はない。軽い失望感が胸に去来する。