2011-04-01

切込隊長の暫定総括を読んでよくまとまっていると思った。特に最後のくだりの、尊敬してきた知識人がパニックになってみっともなかったというのは、多くの国民が残念に思っていることだろう。例えば真っ先に関東から逃げ出した東氏なんかは、とても尊敬できる。こういうときに、知識人から率先して逃げ出してもらえると、国民としては後に従いやすい。結果的に東氏のパニックめいた逃亡劇は、多くの国民を死の灰から救うことになったはずだ。僕はこれまで以上に東氏への敬服を強めたし、本当の知識人が知識を放棄してさえ逃げ出さざるを得なかった事態だったのだと理解できた。産休取得もトップがまず行えということで知事が率先して取得したように、有事にはトップから率先して逃げ出してもらいたい。私も会社のトップが逃げ出さなかったために、東京に舞い戻るはめになり、いくらかの死の灰を浴びてしまった。私が自社や派遣先の会社に最後のお詫びのあいさつとセキュリティカードの返却のために東京に数日間居残りさせられたとき、明日は放射能の風が関東を直撃するというとき、宮台氏がパニックめいたつぶやきをしてくれたおかげで、最後のあいさつをドタキャンして東京から逃げ出すことが出来た。宮台氏は命の恩人である。これこそ最高の知識人であろう。
東京への放射能の影響は科学者たちにとって興味深いようだ。コンクリートで固めた都市に死の灰が大量の降り注ぐのは初めてのケーススタディで、そこでこれから何が起こるかを固唾で見守っているだろう。ある内部被曝の専門家によれば、雨としてふった放射能アスファルトに落ち、雨が止むと乾燥して、また放射能の埃として舞い上がるという。土に染み込まないことによって、放射能無限ループに落ちる可能性が見える。もしくは、雨によって放射能が洗い落とされ、ダメージが少なくて済むという意見もあった。要はデータがないわけで、これから何が起こるか誰にもわからないわけで、東京大規模人体実験の幕があがったわけである。
今回の原発震災を、国民や国が乗り越えるかどうかに私の関心はない。このような事態に陥っている時点で、もはや結果がハッピーエンドかバッドエンドかなどどうでもよい。今回の事態を招いたのは無能な日本のせいであって、無能な国民どものせいである。宮台氏がいうように、「こういったことを可能にしてきた社会システム」こそが問題なのである。今私たちにできるのは、この社会システムを破壊することだし放棄することである。そういう意味で、東京を放棄しない奴は犯罪者だと私は思っている。結果的に奇跡的に東京が助かったとしても関係ない。そうではなくて、この時点で東京を捨てることこそが意義あることなのだ。日本は性根から腐っていると思う。こんな国は滅べばいいと思う。日本が滅ぶシンボルとして、東京を供儀として差し出すのが筋であろう。「えいごであそぼ」をまた見逃してしまった。夕方の再放送に期待する。