2010.08.16 18:20

席は先輩の隣。チームメンバーは荒川智則と先輩の他に四人。とある携帯電話のアプリを開発しているチームだった。チームの平均年齢は高く。三十代のプログラマばかりだった。チームリーダーに挨拶をした。こちらこそよろしくお願いしますとやけに礼儀正しいリーダーだった。他のメンバーにも挨拶する。仕事の手をとめて応答してくれる。これからはこのチームで仕事をするんだ。仲間なんだと、一人盛り上がる荒川智則。先輩に教えてもらって、開発者向けツールを次々にインストールする。圧縮して数ギガバイトもあるソースコードを先輩から渡され、解凍し、自分たちのチームの担当はここだよと教えてもらった。無数にある階層の、無数にあるディレクトリの中のひとつだった。それなのに、さらにその中は十個以上のディレクトリと百を超えるソースコードが詰まっていた。こんなに大きなコードを担当するのなんて大丈夫なのかと不安になった。