2010.08.16 18:20

二ヶ月になろうとかという頃、荒川智則はビールを飲まなくなっていた。知り合いなど一人も増えなかった。皆与えられた仕事をしており、荒川智則にはそれがなかった。時々先輩が声をかけてくれることだけが救いになっていた。今は我慢だよと言ってくれた。何を我慢するのだろうか。先輩は忙しそうだった。荒川智則は何もすることなくぼんやり過ごすことが多くなった。技術書の同じページをむなしく目で追っていた。