今日は初ボーナスの日らしい

ことりさんありがとうございます。ぼくばな、読ませてもらいます。
辞書さんおかえりなさい。
といっても初回は寸志で5万しかもらえないようだ。サーフィン先輩は最初契約社員だったがゆえに、初回から通常通りもらえたらしいが、ちょっと不公平感を感じているわけでもない。しかし金がないのは事実で、サーバーマシンが欲しいがパーツを買う金もない。今日はボーナスだからと、先輩とサーフィン先輩とさっさと定時であがって飲みに行くことになっている。しかし僕は飲みに行く約束をしたことをすっかり忘れていて、昨日ベテランさんとリーダーと駅まで歩いている途中に、ベテランさんがビールを飲みたいと言い出し、僕は最近発泡酒とビールの違いがわかってきましたよなどとつぶやき、リーダーが明日仕事終わったら食事に行こうと言い出し、そのままノリで中華に行く約束をしてしまった。ダブルブッキングというやつか。今日朝いちでリーダーに詫びを入れなければならない。先輩から飲みに行く話を振られたとき、僕はボーナスの額が少ないことを告げ、さりげなく卑屈になっているとどうやら奢ってくれることになった。高いものはよして欲しいと言われたが、居酒屋はどこも高い。先輩にボーナスの使い道を尋ねると、嫁の出産費用と返ってきた。僕はずいぶんリアルな使い道ですねとちゃかして、先輩はずいぶん男だななどと思った。今日は先輩が奢ってくれるが、妻には先輩と飲みに行くから金がいると伝えてある。もちろん先輩に奢らせるわけにはいかないが、万が一先輩がやはり奢るというのなら、僕は自分の金をちょうど明日が発売日のオライリーの本に使おうと思っている。妻は飲んだお釣りはちゃんと返してと言っているが、残った本のお釣りはビデオBOXにでも使おうと思う。都会というのはいやはや人の住むところではないが、ビデオBOXだけは評価してやってもいいと思っている。ボロいアパートでもはやプライバシーなど蚊ほどもないがゆえに、僕はずいぶんせせこましい人間になりつつあるのかもしれない。ふすまを隔てているだけで、その向こうには妻が横たわっているのである。一体僕に何ができるだろう。僕はせいぜい人間の醜い部分をせっせと隠しおおすことに執心するくらいである。先輩は奥さんとパソコンを置いた机を並べているらしい。間についたてもなく、隔てるのはプリンタのみのようだ。エロサイトを見るときはモニタの角度を少しずらすのだそうだ。僕は先輩は男らしくないと思った。ちなみに先輩は僕より11歳上である。僕は十年後の自分の姿を時々先輩と重ねてみるときもある。サーフィン先輩は6つ上である。疲れた。寝る。ちなみに、今うちの会社は究極的に人材不足らしい。僕が入る少し前あたりに人がばったばったやめてしまったらしいし、新しく入ってくるひともほぼいないらしい。というわけできなこちゃん。IT業界をちょっと覗いてみたくなったらぜひうちの会社へ来てみて欲しい。前回の社員会でうちからの離職者が増えているのはなぜか?みたいなテーマでいろいろと各人から意見が出ていたが、僕はその間黙って書記に努めていたが、真っ先に思ったのは華がない、だった。討論の場にある種のしらけのようなものが蔓延するのもやむなしと思った。過去には三人くらい女の人もいたらしいが、もう誰も残っていない。僕の隣の席にも先日までちょっとかわいい女の子がいたが、席替えでいなくなってしまった。そういえば元隣のやつも、ちょっと前に今の現場を離れてしまった。元隣のやつからもらったアルミホイルは、大切に持っている。