眠くなってきた

もはや体に染み付いた体内時計には逆らえない。人間なんて無限ループみたいなもんで、ほっとけば延々とそれを繰り返すようにできている。だから外部からのイベントが欠かせないんだよな。あのままだらだら家に引きこもっていたって何も起こりはしなかった。明日も10段階に仕掛けられた携帯のアラームが俺を起こしてくれる。最初の鳴動は朝の四時だ。当然俺は起きない。こんなもんじゃだめだ。次は四時十分だ。まだ起きないがバックグラウンドのタスクは朝の訪れを予感している。次は四時二十分。ここで目がかすかに開く。お次は四時半。今度こそ起きる。意識だけ。体は起きない。そんな感じで小刻みにアラームは鳴り続け七時半が最終セットだ。そこでやっと布団からでる。人は変われる。ちゃんとアラームは鳴ってる。あとはそれに気付くだけなんだ。そして人は生きていく。互いに影響しあいながらこの星を回す。曲芸師が回すんじゃない。今俺はたくさんの人と出会いたいと心から願っている。たくさんの人を知りたい。俺がその人たちをどんな風に変えられるだろうか。どんな風に俺は変われるだろうかって考えるようになった。俺の携帯のアラームできっ
と上のやつも隣りのやつも早起きになったに違いない。それでも俺は七時半に起きる。それまでのアラームはダミーだ。無駄なことなんてない。