空を見上げるな

帰郷した友人がいった。高知は空がきれいだねって。でもきれいなのは空で、その空の下で暮らす人々はそうじゃない。この県はもうすぐ死ぬだろう。それでも人々はいうのだろう。今日も空がきれいだね。歩いてわかった。空を見ちゃだめだ。いつもきれいな空は僕らの視界を曇らせる。どこまで歩いても空はきれいなままだ。遠くを見るのもだめだ。いつまでも近付く気配のない目的地を見据えたって、挫けるだけだ。地面をみろ。一歩一歩同じ風景などひとつとてない。自分の成長が感じられる。信じるられる。上を向いて歩くな下を向いて歩こう。