最強メモツールとしてのキーロガー

twitterが良い例だが、時代は全記録へと向かっている。自動車の事故処理の健全化のためにドライブレコーダが普及の兆しを見せている。もう数十年もすれば、個人がパーソナルレコーダを保持するのが当たり前になって、24時間あらゆるものを個人の視点から記録するようになるだろう。人権だプライバシーだと時代遅れな人は叫ぶかもしれないが、全てを記録することの圧倒的な利便性はあまりにも魅力的だ。
そのような時代になれば、冤罪は消えるだろう。それどころか、人々は生き方の規律さえ変えてしまえるかもしれない。神が遍在するようになるのだから。
もちろんそれはまだ先の話で、現代人は不便ながらも少しずつ記録範囲を広げていくしかない。

普段仕事をしていて、メモを取る必要が生じることは多々ある。その度に、ある人はリアルの付箋紙を使うし、ソフトの付箋紙や「紙」を使うかもしれない。メモだからさっとすませる必要があり、わざわざそのためにwikiを立ち上げたりエディタを開いたりしていては意味が無い。リアルの付箋紙はさすがに時代遅れなので、ソフトの付箋紙を使うにしても、最短で済ますにしてもそのソフトにフォーカスを移さなければならない。WindowsならALT+Tabキーを押したりどこかをクリックするだけかもしれないが、そのワンアクションさえ、かなり邪魔である。その場でキーボードで文章を打てばそのままそれが記録されてくれる方が便利だ。
例えばエディタを開いてコードを書いているときに緊急にメモを取る必要が生じた場合、エディタに直接打ち込んで、あとから付箋紙ツールなどにコピーすることもあるかと思う。だが、そのとき開いているツールがテキストボックスを備えていなければ、テキストは打ち込めない。テキストボックスまでフォーカスをわざわざ移さなければならない。
しかしキーロガーなら、テキストボックスは不要だ。どのようなソフトを起動していようと、キーを打ち込めば、全て記録してくれる。それどころかクリップボードのやり取りさえ全て記録してくれる。
さらに強力なのは、あらゆるキーボードからの入力を記録できるので、日付ごとに保存しておけば、絶対に取りこぼしがない上に、あとから見直してみて、自分の生産性を認識できる。自分が一日にキーボードに打ち込んだ全てを一度に確認するのは新鮮でさえある。くだらないつぶやきやコード片に思いつきに同僚の愚痴。そういったものを全て保存しておくのもなかなか意味のあることである。
生産性向上の一環としてメモツールとしてキーロガーを自ら仕込むのをお勧めしたい。

BackSpaceを共有しろ

twitterは人々の編集単位を細切れにした。思いついたワンセンテンスを瞬時にネットの向こう側と共有できる。でもまだ共有していないものがある。文章を書く過程だ。
例えば私は今はてなの編集画面で文章を書いているが、ここで何を書こうとBackSpaceキーで間違いや不適切な表現を削除しようと、それはネットには公開されない。保存ボタンを押してようやく文章がネットに反映される。
保存ボタンを押すのは一つのテーマについて書き終わった時点だから文章を書き始めてからだいぶ時間が経過している。これがtwitterなら保存ボタンを押すのは一つのテーマではなく一つの思いつきになる。それはリアルタイム性をひきだすことに貢献して、文章がより熱を持つようになった。チャットにちかいリアルタイム性に惹かれて多くのユーザを獲得した。だったらもう思いつき単位どころかキーボードの1打鍵を公開単位にしちゃえばいいのだ。つまり保存ボタンはいらない。著者がキーボードを押下する度にネットに即座に反映される。文章を打ち間違ってBackSpaceを押すところも全て公開させる。これこそ本当のリアルタイムだ。そうなったらdan kogaiなんか記事を書いてる途中から読者に誤字を指摘されることだろう。そうなるともっと面白くなると思うのだが。