これから、どうしようかな

自分でもよくやりきったと思うよ、ほんと。だって全財産50万の大半を使い果たし、あげく東京まで来て得たものは何もない。何もないわけじゃない。辞書さんとも知り合えたし、たっちんだっている。美人の女子大生にも会えた。さっき靴をとりに雀荘行った時、お店の女の子が「仕事決まりましたか?」と聞いてくれて、「一応」と答えると「よかったですね」と言ってくれた。営業スマイルにせよ、なんかめっちゃうれしかった。「一週間くらい金稼いだらまた来ます」と言って俺は雀荘を出た。ちゃんとした雀荘は、いちいち店の外のエレベーターまでメンバーが見送ってくれる。最後は深いおじをして。扉がしまるとき、その女の子の笑顔を見て、少し救われた気がした。俺はここで生きていくんだと、やっと実感がもてた。退屈で得るものの少ない単純労働をしながら、週末は雀荘で徹夜して、おっちゃんや、いや、このマーチャオは若い客が多いから同世代のやつらと卓を囲んで、安いレートでわいわい楽しく麻雀をやるんだ。麻雀に勝ったらその金で風俗行って、安いレートだから相当厳しいが。お気に入りの女の子みつけて通いつめて、そのうち消費者金融のお世話になりそうだな俺。まぁ、それも人生経験だ。プログラミングはどうするかって?どうだろうな。多分やめると思う。もうがんばらないことにした。まだ若いんだし、残りの人生せいいっぱい自堕落に生きてやろうと思う。何も望まず、ただ毎日に感謝して、そしていつか、ホームレスになって、新宿の交差点をせわしそうに楽しそうに歩く人々を、ビールでも片手に眺めてやるんだ。